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接ぎ木の台木と接ぎ穂の相性って???

  • 執筆者の写真: るっち
    るっち
  • 2020年5月12日
  • 読了時間: 5分

接ぎ木に挑戦して、

「何で上手くいかないんだよ!!」

うわーヽ(´Д`)人(´Д`)人(´Д`)人(´Д`)ノーーん


ってなっている方も多い事と思います。

何故なら筆者もその一人だからです(´Д`)


頭に浮かんだのが”接ぎ木ってそもそも台木側と接ぎ穂の相性があるのでは・・・”

人だって動物だってそうです。

もちろんお付き合いしても合う合わないで苦い経験もある事でしょう。


そさてさて、そこで接ぎ木に関する内容をまとめてみました。

今日は接ぎ木に関するお勉強の記事です。


第一章 接ぎ木ってそもそも何よ???メリット・デメリット
第二章 接ぎ木に適したサボテンさんたちの紹介
第三章 っていうかやっぱ相性ってあるんじゃね?
第四章 まとめ/接ぎ木を上手く成功させるには?

<第一章>「接ぎ木ってそもそも何よ???

            メリット・デメリット」

接ぎ木とは、サボテンの一部を切り取り、他のサボテンに継ぎ合わせひとつの新しいサボテンを作り上げることです。

これは、栄養的にみて台木は主に根によって土壌から水分や養分を吸収し、接ぎ穂は光合成によってえたエネルギーを両者間に送りあって共存します。


〇メリット

・斑入り種や根が弱い「難物種」など栽培が困難な種類を、接ぎ木をすることにより台木の力を借りて育てることができます。

・根腐れが進んだサボテンも根を切断して台木につなぐことで助けることができます。

・丈夫な台木の力を借りることにより生育が早まり成株になる期間を短縮することができ、より強いとげを出させたり、花付きをよくすることができます。

・接ぎ木をすることにより生育が促進され、子吹きがよくなります。またその子を接ぐという作業を重ねることにより同一形質のサボテンを大量に得ることができます。


〇デメリット

・接ぎ木をすると急成長するので、本来の姿が失われたり模様が消えてしまうことがあるそうです。また元気がよくなり過ぎて、本来は出ない毛羽を吹いたりします。

・接ぎ木は組織の軟弱化させることもあり、そのため虫が付きやすくなったり、病気になりやすくなりサボテンそのものの寿命を短くしてしまうそうです。


<第二章>「接ぎ木に適したサボテンさんたちの紹介」

〇短毛丸

実生接ぎによく用いられます。寒さに強く、根も丈夫なため冬でも戸外で越冬できます。

しかしながら、永久台木としての資格に欠けているため、繁殖の一過程としての台木として利用します。




〇三角柱

実生小苗(特に小さいもの)を接ぐために用います。

寒さに弱いという欠点を持つため、永久台木には向きません。繁殖用の一過程として用います。温度管理に気を付ける必要があります。




〇竜神木

花サボテン類とは近親関係にはありませんが、とても相性が良いそうです。

よって相容れない属というのがほとんど無いそうです。また、穂木の生長、とげの発生、花付きが早くなるため万能台木として利用されています。

欠点としては根腐れを引き起こしやすく、寒さに弱いとのことです。冬期に多湿であったりすると凍死することがあるそうです。




〇袖ヶ浦

これを台木に用いた場合、穂木の生長が早く、とげの発生が良く、花つきも良くなります。

繁殖がよく、寒さに強いことから理想的な台木として珍重されているそうです。

唯一の欠点としては、接ぎ穂との接着面に黒いかさぶた状のものが生じることがあります。

この現象が起きた場合はすぐに接ぎかえる必要があり、そのままにしておくと腐死することがあるようです。



〇ウチワサボテン

穂木の生長の早さ・とげの発生・花つきが非常に良く、切り口の乾燥が早く、天気の悪い日に接いでもほとんど失敗することがありません。

欠点としては側芽がたくさん出ること、カイガラムシの発生がしやすいことなど永久台木としてならないことです。

繁殖過程の台木として最もすぐれているうちのひとつとなります。


<第三章>「っていうかやっぱ相性ってあるんじゃね?」

台木と接ぎ穂の相性の事を親和力ともいいます。

つまり台木と接ぎ穂との活着の度合いを示すもので、

これは台木と接ぎ穂の性質が近い(分類学的系統からいえば近親関係にあるもの)ほど

相性がいいといえます。


〇短毛丸

⇩穂木に適したもの⇩

ロビビア類、ウニサボテン類(花盛丸)、ギムノ類(新天地・海王丸・緋花丸・光琳玉)、有星類(カブト丸・碧王瑠璃らん鳳凰)、強刺類(金シャチ・弁慶)


〇三角柱

⇩穂木に適したもの

若干合わない種族があるそうでたいていのものは穂木として可能だそうです。


〇竜神木

⇩穂木に適したもの⇩

穂木はどのようなものでも相性がいいようです。

ただし、毛柱類(翁丸・白雲錦)、強刺類(弁慶・金シャチ・ルリ丸)などは穂木としては避ける必要があります。


〇袖ヶ浦

⇩穂木に適したもの⇩

レブチア類(宝山丸・新玉)、ロビビア類(陽盛丸・緋盛丸)など


〇ウチワサボテン

⇩穂木に適したもの⇩

穂木の好き嫌いがはっきりしているそうです。

エキノプシス、ロビビイア、カメエロビビイア、レブチアの各属とは相性が非常に良いです。逆に絶対に相容れないものは、ギムノカリキウム、フライレア、パロジアの各属となりこれらは避ける必要があります。


< 第四章>「まとめ/接ぎ木を上手く成功させるには?」

接ぎ木の適期は生育期である春と秋になります、その時期の快晴が続き空気の乾燥している日が最適となります。梅雨期や雨天の日に行うと切断面がいつまでも乾燥することがなく、腐敗することがありますので気を付けてください。

接ぎ木を糸で固定したら、ある程度の明るさのある半日陰に置きます。

その後、上にちり紙などの紙をかぶせて無駄な蒸散を防ぎ、4~5日ほど乾燥させます。

 その間は、台木に水やりをして構いませんが、接合部に水がかからないように注意が必要となります。

台木と穂木の選定⇩

・強く丈夫な植物で、生長が旺盛なもの。

・寒さに弱かったり、夏に生長力が衰えないなど季節によって生長にムラがないもの。

・茎の切断面がなるべく広くとれるもの。

・接ぎ木として活着しやすいもの。

・接ぎ木の操作が容易なもの。(あまり強いとげなどたくさん生えていないもの)


どうでしょうか、これで皆さんも接ぎ木マスター間違いないですね。

私も改めて挑戦してみようと思います(^^)


大きく育ったうちの「瑠璃丸3頭袖ヶ浦接」




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