サボテンの突然変異の謎に迫る
- るっち
- 2020年6月21日
- 読了時間: 5分
サボテンは世界にその仲間(科)だけで5,000種以上と言われています。
これまで知的探求心からどれほどのサボテンを調べてきたか・・・
しかし、5000種もあれば、その知識も到底その足元にも及ばないだろう・・・
どんだけあるんだ・・・(´д`)
そんなサボテンですが、突如としてその個体の中から突然変異するものが現れます。
つまり奇形種という訳ですが、その特異な姿や希少性から高価な品として扱われ、
市場では高値で取引されています。
では、今回そんな奇妙なサボテン達を紹介します。
第一章 サボテンの突然変異って?
第二章 その奇妙な姿と性質
第三章 作為的に奇形種を生み出す事は可能か??
第四章 その価値と有意性
<第一章>「サボテンの突然変異って?」
サボテンの突然変異したその姿は「キレイ」とか「カワイイ」とか、現代人お得意の単純な評価を軽くあしらうような、グロテスクで形容しがたい風貌が一般的な姿だ。砂漠という極地で、誰の助けもなくサバイブしてきた生き物なのだ、と納得せざるをえないほどの、孤高かつ強靭な生命力、そして、生命そのものに備わる官能性をも感じさせてくれる。
何かのきっかけで成長点が横に伸びていくものや通常ある一定以上のの大きさや年数が経過しないと小吹しない種類のものが小さいな状態で異常に小吹するものなど様々だ。
例えば、成長点が何らかの影響で潰れてしまったり、成長細胞のスイッチが入ってしまったりなど自然の中で何かのきっかけがある様だ。
<第二章>「その奇妙な姿と性質」
突然変異なので、当然以前の元の姿と異なり、その姿はまるで似ても似つかないモンスターの様になるものもある。
例1)ボカサナフレッド
元々マミラミア属の高砂という種類のサボテンが変異(モンスト化)したサボテンであるが、その見た目から、生理的に敬遠する人もいれば、作者の様にドはまりする人間もいる。
全体的に刺や毛が無くなり、全体が緑のものや赤紫のもの、はたまた緑と紫が混同するもの、そして刺がわずかに残るものなど様々なタイプが確認されている。
〇通常の状態「高砂」
全体が毛に覆われ、刺は細く、その先端は鍵爪の様になっていて、衣類などに引っ掛かると中々取れない。花は小さな花が無数に次々と咲いていくので、観賞用としては重宝されている。

〇ボカサナフレッド(緑)
刺も毛も無くなり緑色の肌のみが広がっていく。花は咲かない。

〇ボカサナフレッド(紫)
こちらは肌の色が全体的に紫と化したものですが、中にはさらにどす黒く、赤黒いものも存在する。強光線から身を守るためだったり、冬場の寒い時期に紅葉するものがあるが(のちに緑色に戻る)、この種類はそうではなく、どうやって光合成しているのだろうか・・・

〇ボカサナフレッド(緑×紫)
緑いろと紫いろの肌の色をもった種類である。この株はモンスト化だけでなく帯化もしており、更には先祖返りで一部刺も出てきている。

〇ボカサナフレッド(おっぱいサボテン)
先端が花芽の様に赤く染まっており、海外では「おっぱいサボテン」と呼ばれているそうだ。通常、モンスト化した種類の多くは花を咲かせることは少なく、こちらも同様である。

例2)なるほど柱(珍宝閣)
これはトリコケレウス属の大稜柱(柱サボテン)のモンストになります。
刺がなくつるんとしたその見た目、そして、先端の横一文字の割れ目から、性的なものを創造してしまうが、まさに別名「珍宝閣」と名付けられたのもその理由である(笑)
元々は刺もしっかりとした柱サボテンでしたが、何故このようなものが生まれてきたのやら・・・ある日、ある農家で突然変異として生まれたものを徐々に増やしていき、今の世の中に広まったようです。
〇通常の状態「大稜柱」
刺もしっかりとしており、THE柱サボテンといった見た目をしています。

〇なるほど柱
大抵のなるほど柱は表面がつるんとしていて、刺が全くありません。なので、ひたすら上へ上へと成長するしかありません。つまりは刺座がないという事は永遠に小吹もせず、同切りをするとそこで成長を止め、永遠にそのままか枯れてしまうしかないという悲しい運命を背負っています。

〇なるほど柱(刺あり)⇒小吹
ごくたまに先祖返りで刺があるものも存在しますが、そういった個体はある年数が経つと刺座から小吹をしてきます。ただ、通常の小吹の仕方と少し違い、その体表面を食い破るかの様な飛び出し方をするので、まるでモンスターが生まれてくるかの様で少し恐怖すら感じます・・・

<第三章>「作為的に奇形種を生み出す事は可能か?」
突然変異という事は、何千何万の個体の中から突然に何かのきっかけで生まれる奇形種になりますので、それを作為的に作るのは中々難しく、これまで様々なサボテンのプロたちが挑みましたが、夢破れている様です。
ただ、いくつかの方法を使ってそれらをカバーできる様な事も考えられてきました。
それが、接ぎ木という方法です。
接ぎ木とは、通常の成長過程を他のサボテンの力を借りて、そのスピードを上げる方法も一つとしてあります。つまりは、貴重な種類のサボテンを効率よく成長させ増やす事ができるのです。
先に紹介したなるほど柱も成長が極端に遅く、その超途中でつるっとした綺麗な肌もシミやそばかすの様に汚れてきてしますリスクを抱えていますので、袖ヶ浦や竜神木に接がれるケースもあります。
(接ぎ木の方法もコツが要りますが、成長の遅いもの(花籠やロロホラ類)や貴重な斑入りのものなどが良く接がれています)
こちらも紫色のボカサナフレッドが接がれています。

< 第四章>「その価値と有意性」
ごく稀に生まれてくるその希少性から価値は高いようです。
ただ、その元々のサボテンの持つ価値も左右され、例えば成長が遅いや市場の出回りが少ないものは更に価値が上がります。
見た目が通常とは異なり、かわいい姿も勇ましい姿も変貌を遂げ、その姿はグロテスクだったり、または恐怖を感じるような異形な姿となる。しかし、その唯一無二の姿に芸術性やおもしろさを感じ重宝されます。
ごくたまに量販店やスーパーの園芸コーナーでも通常のものに混ざって出回っている事もので、見つけた際は即買いですよ皆さん(^^)/
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